最近では自然薯をメインに取り扱っている飲食店なども目立つようになり、自然薯を1年中楽しめるようになっています。それゆえに、自然薯の収穫の時期や旬の時期がわからなくなっているという方もいるかもしれません。もちろん、自然薯にも収穫の時期や旬の時期があります。ここでは、自然薯における収穫や旬の時期についてご紹介していきたいと思います。
自然薯の収穫時期と旬の時期について
では、さっそく自然薯の収穫時期と旬の時期についてお話ししていきましょう。
まずは、自然薯の収穫時期についてです。自然薯は早いものだと10月の中旬あたりから収穫がスタートします。ただ、一般的な自然薯の収穫時期というのは11月の中旬あたりから12月いっぱいだと言われています。意外に思われるかもしれませんが自然薯はお歳暮やお正月に出荷されることが多いので、この時期が最盛期となるのです。お歳暮などでおいしい自然薯をもらって普段食べている自然薯との違いを知って、問い合わせをするといったケースも多いようです。
ちなみに、自然薯は掘り起こされてそのまま出荷されるとは限りません。というのも、自然薯は保存がきくので、半年ほど保存された後に出荷されることもあるのです。自然薯の旬の時期はやはり掘り出されてすぐの11月の中旬あたりから1月にかけてといったところです。
自然薯はお正月にどう使われる?
先では自然薯がお歳暮やお正月に出荷されるという話をしましたが、「お正月にどう使うの?」と疑問に思った方もいるでしょう。お歳暮として自然薯に限らずいいものを贈るというのはわかりますが、お正月と自然薯はなかなか結びつかないものです。実は、一部の地域ではお正月にとろろを食べる風習があるのです。
お正月にとろろを食べるのは、東北地方や関東地方の一部での正月行事として知られています。「三日とろろ」と呼ばれており、一度くらいは見聞きしたことがあるという方もいるかもしれません。「三日とろろ」とは言いつつも、お正月の二日にとろろを食べるというところもあるようです。この「三日とろろ」に限ったことではないのですが、行事や風習には地域での違いが結構あるものです。三日に食べる場合でも朝に食べるというところもあれば、夜に食べるというところもあります。
ただ、この「三日とろろ」の由来というのは、だいたいどこも同じです。栄養満点の自然薯とろろには、疲労回復や消化を促進させる働きが期待できます。そして、お正月というのは何かと大変ですし、「正月太り」という言葉があるように食べ過ぎてしまうケースも少なくありません。そういった中で、胃腸を休めるためにとろろが食べられるようになったのです。
また、自然薯には滋養強壮効果も期待できます。その自然薯のとろろをお正月に食べることによって、1年間健康に過ごせますようにという祈願も兼ねているのです。特に東北地方の福島では正月三日にとろろを食べると1年間風邪を引かないと言われていますし、他の地方でも松の内に食べるとその年は中風にならないとも言われています。他にも、小寒より9日目に食べる「寒九とろろ」は無病息災の願掛けになるという話もあるようです。
自然薯をすりおろすコツとは?
お正月はもちろん、年間を通して食べたい自然薯のとろろなのですが、自分ですりおろすとなかなか思うような仕上がりにならないということもあるかと思います。ここでは、そのような方のために自然薯をすりおろす際のコツをご紹介していきたいと思います。
まず、自然薯をすりおろす際にはおろし金ですった後にすり鉢で丁寧にすってみましょう。二度手間のように思えるかもしれませんが、これによって口当たりがかなりなめらかになります。今の時代はすり鉢をお持ちではない方も多いでしょうが、もし食卓に自然薯を取り入れようと思っているのであればすり鉢を用意しておいたほうがいろいろと捗るかと思います。ちなみに、自然薯を一度冷凍するというのもひとつのテクニックです。というのも、一度冷凍した自然薯をすりおろすときめ細かな仕上がりになるのです。おろし金のみですってもなかなかの仕上がりになります。
きめ細やかななめらかさよりも食感を楽しみたいという場合には、鬼おろしを使うといいでしょう。おろし器がなくとも、自然薯をビニール袋に入れて何かかたいもので叩くという形でサックリとしたとろろを作るのもひとつの方法です。
同じ自然薯のとろろであっても、やはり口当たりや食感によって印象はまったく違ってくるものです。栄養満点で体に優しい自然薯なので、こういった工夫をしながらできるだけ毎日食卓に取り入れていきたいものです。